(右)SOLD

Works of Art〜美術工芸品図録15

Carved Ivory Skulls 'Vanitas'
象牙彫刻髑髏「ヴァニタス」


Early 18thC South Germany or France / Early 18thC Probablly South Germany
(右)18世紀初頭 南ドイツまたはフランス サインなし 高さ:4.7cm
(左)18世紀初頭 おそらく南ドイツ サインなし 高さ:3.7cm
 
 ラテン語で空虚やむなしさを意味する「ヴァニタス」は、旧約聖書『コヘレトの言葉』"Vanitas vanitatum omnia vanitas"「なんという空しさ、なんという空しさ、すべては空しい」に由来する。東洋の無常観と共通する思想である。
 
 ヨーロッパ美術における「ヴァニタス」は、「メメント・モリ」や「死の舞踏」同様、人生の儚さを暗示する、現世を生きる者にとって普遍的主題のひとつである。17世紀バロック期、オランダの静物画において好まれた題材であったが、象牙彫刻の盛んな南ドイツでは、死を象徴する髑髏作品が制作された。
 
 この2点の象牙彫刻はその流れを組むものであり、下顎のある髑髏は細密な彫刻で、嗤う死神を連想させる作品。一方の下顎の無い髑髏は、先人が長い年月作品に触れることで生じた「なれ」の味わいのある、眼窩の虚空に空しさを覚える作品である。
 
*2点は別売です 
*(右)SOLD*