CabinetⅢ 【第Ⅲ室】〜Works of Art 美術工芸品
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Works of Art〜美術工芸品図録33

Cat & Bee Silver Cover Aide Mémoire by Gebrüder Kühn
Charles X Hand-Painted Floral Panel Carnet de Bal
ゲブリューダー・キューン 「猫と蜜蜂」銀製表紙備忘録(エド・メモワール)
シャルル10世 手描き花絵の舞踏会の手帳(カルネ・ド・バル)


c1900 Germany / c1830 France
(猫と蜂)1900年頃 ドイツ
刻印:三日月と冠、800、工房印、判読困難な刻印
11.3cm x 5.0cm 銀 皮革 紙
(花)1830年頃 フランス
4.4cm x 3.2cm(チェーン含まず)
ガラス 象牙 オルモル 絹 紙
 
趣向を凝らした舞踏会のお伴カルネ・ド・バル(舞踏会の手帳)は、象牙板に繰り返し書き込む仕様が主流である。一方、エド・メモワール(備忘録)はレフィル交換できるノート型の紙のメモ帳を呼ぶことが多い。いずれの手帳も貴婦人が携帯した愛の物語を秘めたオブジェである。
 
アールヌーヴォー風デザインの蜜蜂を目で追う猫の銀製パネルが表紙を飾る臙脂色の革製手帳(エド・メモワール)。内側は滑らかな薄茶の革のライニング、ポケット付き、取り外しできる紙ノートが残る。ペンシルは欠損している。帝政時代にナポレオンが自身の紋章に取り入れた蜜蜂は繁栄や豊穣の象徴であり、悪戯好きな仔猫との組み合わせが新鮮である。1860年ドイツにて創業、現在も活動を続けるゲブリューダー・キューンの作品。
 
艶やかなエナメルの花と金箔のガラス絵を嵌め込んだ象牙表紙に、紙ノートとペンシルを組み込んだ小さな手帳は、指を通して提げるようチェーンの先に指輪(フィンガーリング)が付く。手帳を携え舞踏会に参加した元所有者の筆跡でダンス曲と踊る相手の名を記したドラマチックな作品。フランス復古王政の時代、貴族の間で"Polkas ポルカ"、"Valses ワルツ"、"Contradanza コントルダンス"、"Schottische ショツティーシュ"の踊りが流行したことを示す貴重な資料でもある。